CLock Garden
AMNESIA V Edition
以前から気にはなっていたのですが、BadEndの多さに賛否が分かれているゲームだということもありまして、
手を出しあぐねておりました。
が、Vita本体をゲットしたのと同時にPSP版より安価だったのもあって購入決定。
結論、やって良かったです…!
ヒロインちゃんが記憶喪失ということもあり、ヒロイン=自分に置き換えてプレイするタイプの人には特に入り込めると思います。
そしてオリオンが可愛すぎる…!!
時には突っ込み、時には泣き、時には怒り、一緒に笑ってくれるオリオンはもう全編通してのオアシスでした…!
オープニング時に4つの世界からすきな世界を選んで!と言われて最初意味が分からなかったのですが、
要は選んだ世界それぞれで恋人が違うというわけですね。
とってもよく似ているけど、所々違う平行世界。
いいね!! こーゆー設定大好き!
相手役のそれぞれの魅力が、鼻につくことなく素直に伝わってきます。
最後には「幸せになってね!」と思える素敵なシナリオばかりでした。
人気作にはそれだけの理由がありますね。
(以降キャラ別レビューはネタバレを含みますので、NGの方はブラウザバックでお願いします)
SHIN(シン)
CV:柿原徹也
ハートの世界を選択で攻略可能
取りあえず選択肢で一番最初にあるものから選んでいく派の庭師です。
開始早々病室スタート。
オリオンがテンパるので何となくハラハラしてるところにシン登場。
いきなりキススチルが出たときはビビりました…
いや、乙女ゲーの鉄則的にキスチルはラストの方でしょう?
考えてみれば、ヒロインちゃんには今まで積み重ねてきた時間も絆もあるわけで。
ラブラブの彼氏がいたって何ら不思議はない訳なんですよね~
これが記憶喪失のヒロインというものか…!と妙に納得。
シンルートは、ゲーム開始前に行った信濃旅行での「事故」の謎を解きつつ、恋人としての絆を強めていくっていうのがメインなのですが、アレですよね。
とりあえず、シンって頭いいね…! 作中ヒーローの中で一番頭いい気がする…
バイトの予行練習とか普通すんなり思いつかなくないですか…?
いや、きっとヒロインちゃんが普段からぼーっとしてるから、シンは必要以上にしっかりせざるを得なかったんだ。
きっとそうだ。
バカバカ言われて、なんだかスパルタだけど愛は感じるので頑張れ、ヒロインちゃん。
焦りからくる強引さとか、まあちょいちょい年下らしさはあるのですけどね!
山荘編は緊迫した空気の中、ウキョウさんのヒャッハーな感じが初お披露目されて超ビビりました…
あと、血手形とか普通に想像しただけで怖いですよね…!?
バッドにスチルなくて本気でよかった…!トラウマになるわ!
EDについて、正直、正直ですね~ ノーマルED見た時点では、シンがなんであんなに事件解明をしたがるのか分かんなかったです。
そんな、何を言わせたいのか分かんないけど、そこまで完膚なきまでにしなきゃいけないの?そんなにヒロインちゃんを独り占めしたいの?って。
でもグッドED見て納得できました。
独り占めしたかったから、じゃないんだって。 トーマが大事だから全部を言ってほしくて、知ってほしかったんだって。
ノーマルEDじゃトーマだけが悪者になっちゃう。
「守れなかった兄貴分」って仮面被って、もう絶対三人で笑い合うことはない。
グッドEDは確かに痛いです。
でも痛くても、苦しくてもトーマにだけその傷を負わすんじゃなく、三人で負いたいって願ったからこそなのだと思います。
三人が三人ともお互いが好きで、大切で、でもどうしようもなく愛しくて…
だからこそ、あの二人の泣き顔のスチルで。
数か月後か数年後かは分からないけど、きっとまた三人で笑いあえる未来が見える素敵なエンドだったと思います。
一言:それぞれ左と右のブーツの片っぽは部屋に置いてあるのですか?あと足首細ぇな!
IKKI(イッキ)
CV:谷山紀章
スペードの世界を選択で攻略可能
選択肢2番目を選んでコンティニュー。
ってあれ?トーマじゃなくてイッキなの??と疑問に思うも順番通りにやって行けば間違いないと敢行。
(後にこれは英断だったと気づく)
開始は自室。
う~ん、パラレルってすばらしいですね…!
シンルートとは違ってシンとは幼馴染でもないし、トーマとは義理の兄弟。
二人と幼少時代に関わりがなかったからか、この世界のヒロインちゃんは普段結構しっかりものな感じ?の印象を受けました。
シンルートではイッキもケントもさらっと触れただけだったので、こんなトンでもな「体質」持ってたなんて気づきませんでした…
まあ、ざっくばらんに言ってしまえば、「モテる男は辛いネ!」なイッキルートです。
強すぎる光には濃い影ができるように、次第に統制を失ったFCの子たちがヒロインちゃんに度を越した害を与えるようになる…わけですが。
イッキルートよりトーマルートでの件の方が正直怖かったんですけど…
イッキがFCを抑えてたってことなのかな…?
ヒロインちゃんが倒れてお見舞いに駆けつけるのに仮面被って来ちゃうお馬鹿さ加減とか、我儘言っただけで舞い上がっちゃう単純さとか、ばっちり二枚目なはずなのになりきれないイッキが可愛いなあ、と思えます。
シナリオで一番好きだったのは、告白ラッシュに参ってヒロインちゃんに甘えるシーン。
「重い、重い、重い」ってセリフが切なくて、ヒロインちゃんに抱きしめてあげて欲しかったです。
思いを拒むのはとても辛いですよね。
人を魅了するのは瞳の力のせいで、自分自身に価値なんてないとイッキの根底では思ってるからこそ、人を拒むのは辛い。
価値のない自分に人を拒否する資格なんてないのにって自分を責めて、それに疲れて自分を守って、でもそんな自分に卑劣さを感じないわけはなくて…
それを何百回と繰り返しながら、人との愛を諦めて生きてきたのかな、と思います。
もう幸せにしてあげて…!と願うには充分でした。
途中、恐怖の山荘編「妖怪大正ロマネスクさん」に憑りつかれたり回避したりを繰り返しながらEDへ。
ノーマルエンドでは、結局どっちなの!?な終わり方でヤキモキ。
グッドでは、FCに制裁を加えつつ幸せそうな二人を見ることができました。
命狙われんのに、FCの制裁それだけかよ、と思わなくもないですがラストのイッキが幸せそうにはしゃぐから許せてしまう。
ヒロインちゃん頑張れ…(笑)
まあ、色々と思うところはあるEDでしたが、これFDで一番美味しいのはイッキルートだなーと思いますww
一言: ブーツの丈おかしい。 あと目の下のスペードは化粧ですか、タトゥーですか。
KENT(ケント)
CV:石田彰
クローバーの世界を選択後攻略可能
順当にクローバーの世界です。
なんか開始早々破局一歩手前な感じなんですが…
甘くない…でも、別れたくない的なこと言ってるし、取りあえずはいいのか…?とハラハラしながら見守りました。
ケントルートでは結局、過去の確執でお互い惹かれつつ、どうしても一歩踏み込めなかった二人が、記憶喪失になったおかげで関係を再構築する、っていう…。
あれっ、平和だ…!なんか平和だ…!!
ケントは、プレイ当初ビジュアルでは一番好みでした。
ルート攻略していくにつれ、嫉妬したり、研究バカらしい斜め上の表現で照れつつも欲望を小出しにしてくるとことか…
激しく萌えました…!
まあ、シンルートイッキルートとやってきて、それぞれに魅力があると分かった今では傾倒するほどではないにしてもケントの可愛さには毎回悶えさせていただきました(笑)
二人の確執、ヒロインちゃんの愛犬が事故で亡くなった時のワンシーンですね。
あれは…うん、ないねえ。
どんなに好きでも許せない一言ってありますよね。
心の中でずーっとしこりになって残ってる。
思えば、ヒロインちゃんはそれを引きずっていて、「許せないけど好きだから」付き合っていたのではなく、「許せないから嫌いになりきるために」つきあってたのじゃないかなって。
大事なものの死ってそれだけ大きいものだと思う。
今回は山荘編には入らず、ヒャッハーウキョウさんが日常パートでちくちく攻撃してきます。
いや、でも他ルートに比べたら可愛いなこの展開…
ウキョウさん自身もケントルートは死なないって言ってたしなー
安全牌か、ケント。
まあ、それでも途中やっぱり死ぬことは死ぬんですが。
今回はゾワッと来ることもないな~と思っていたらアレですね。
病院来ましたね…!!
いや、やっぱりゾワッとシーンはシナリオのどこか一つには必ず付いてくるものなのね…
ノーマルEDについては、とにかくイッキのイケメンぶりが発揮されていました。
ケントが学会を終えてから病院に来てくれて安心しました。
一年離れちゃうけど、仕方ないよね!個人的には最後のスチルが好きでした。
男の人の背中ってでっかくて手回りきらないよね~と。(え?見てるとこ違う??)
グッドEDについては、学会放って来ちゃうほうですね。
いや~…私年齢くってるからかなあ。学会放ってくるって展開で「ちょっ…やめてよ!」とか思ってしまいましたよ…
まあ、今回の学会がダメでも次があるのねって事が後からわかるわけですが。
それでもってヒロインちゃんも留学するという展開になるわけですが。
ケントの親御さんだって彼女のために学会蹴りましたなんて言ったら「合理的じゃない」とか反対されるんじゃないのー?
とか色々心配になりまして。
けれど、ケントの変化はストーリー的に外せないことでしたし、その最たるものとしてこのEDは必要だったのだなと思えました。
うん、確かに以前のケントには考えられない行動だったものね!
個人的には、ケントとオリオンの会話がとても可愛らしくて好きでした。
オリオンの「はじめましてって書いて」に萌えたのはわたしだけじゃないですよね?(笑)
一言: ベルトの数多すぎませんか…。 君はその服で何を拘束してるつもりなの?
TOMA(トーマ)
CV:日野聡
ダイヤの世界を選択後攻略可能
ヒロインの部屋に飛ぶつもりが、アパートの外に不時着スタートです。
イッキとケントは部屋からスタートだったので、必ずしもスタート地点が一致してるわけではないって設定忘れてましたw
はい、トーマ兄ちゃんこんにちは~
どんなお兄ちゃんを見せてくれるのかなーとほのぼの系を想像して突入したトーマルートですが…
まちがってた!!!!!
盛大な勘違いをしていた!!!!!!!!
もう、土下座で謝るレベルです。
ごめんなさい。これ確かにハート→ダイヤの順で来てたらヤバかった。
大体の話が、「特別な関係じゃない」って口を酸っぱく言っていた彼がイキナリ「恋人だよ」って可笑しいし。
他ルートでの彼を見ていなかったら、クリアできる自信はなかったです。
過保護さ加減がそこはかとなく怖いと思うなんてトーマ以外にありえないですね(笑)
…と、盛大に怖がってみましたが。
まあ、トーマルートは恋愛相談していたイッキファンに悪質な脅迫を受けていたヒロインちゃんを、守ろうとするあまり行き過ぎてしまったトーマの狂愛ですね。
その狂気じみた重すぎる愛をヒロインが受け止めきれるかどうかがカギ、と。
トーマの場合、守るって本当に「全てのものから」なんですよね。
悪意にまみれた言葉や行動、情報すらもヒロインちゃんに触れてほしくない。近づけさせない。
真綿にくるんで大事に大事にしていたい。
それがあの檻という名の宝箱だったのかな、と思います。
トーマ自身、狂ってるって自覚も最悪な部類と自分を認めているからどうしようもないですね…
トーマの取った行動はゲームの世界だからこそ流せることですけど、現実だったらこわいですね。
頑なまでにトーマを信じるヒロインちゃんに、オリオンが「この状況でトーマに君を任すわけにいかない」って言ってたけど強く同意しました。
記憶喪失ですからね?
事前情報なんかないんですよ?
出会って数日の人間にいくら幼馴染で恋人って聞いていたとしても薬盛られたり檻に入れられたりしたら普通怖くて逃げちゃいますよね~ そりゃ思い切り不審人物なウキョウさんにうっかり付いて行って井戸に落とされるよね…
そこで踏みとどまるための攻略順序4番目なのでしょうけど。
とにかく檻生活してた頃はオリオンだけが支えでした…! ありがとうっオリオン!!
EDについては、ノーマルはむしろバッドですよね…
あんな終わり方ないですよ。
本当にトーマは極端だな!!
壊れたお前でも愛せるからって囁いてくれてた方がまだ心情的に報われた気がする…!
人道的にはアウトですけども。
グッドの方は結局ヒロインちゃんはずっとトーマが好きで、それを日記で見て知ったトーマが理性を取り戻してってシナリオですね。
日記…檻の衝撃で忘れてましたよ…!
FC糾弾編がスッとしました。
イッキルートでとても温い対応で終わったので(まあやられたことに差もあるのですが)あのシーンは良かった。
ラストのヒロインちゃんの「最悪なトーマを好きになる女の子って私くらいだよね。嬉しい」って発言はトーマの側に立ってヒロイン萌えしてしまいました。
本当にトーマ、ヒロインちゃんに救われたな…!
二人が幸せそうなら、経緯はともかくとして、もういいですよ…。
なんだかアンチ的な書き方しちゃいましたが、仮にも記憶喪失の女の子にやっていいことじゃない(記憶喪失じゃなくてもしちゃいけませんけど。)と思うだけで、トーマは好きですよ…!
優しくて大事すぎるからやり方を間違って暴走するトーマは個人的には愛しいと思います。
幸せになってね。
一言: 服は一番まともだったけど、実際一番まともじゃなかった…
UKYOU(ウキョウ)
CV:宮田幸季
ハート・ダイヤ・スペード・クローバーの世界のグッドEDを全て見た後、NEWGAMEよりジョーカーの世界を選択で攻略可能
ヒャッハーウキョウさんのイメージが強すぎて、怖々開始。
取りあえず夜にはやらないよう気を付けました(笑)
うん…あのね…
ウキョウさんが可哀想すぎて泣けた…。
あと愛しすぎて泣けた…。
バッドの数が尋常じゃなくて、涙目。
ウキョウさんの「俺を信用しちゃダメっ」の態度が可愛すぎて癒されました…
この人、ピュアですよね…
異常気象の謎とか、他ルートのウキョウさんの意味深発言とか、オリオンがヒロインちゃんのところに来た理由とか
色んな謎究明のルートでもありますが、流石オオトリですね。
シナリオがほんとーーーに、良くできてたと感じられた世界でした。
この世界は君を殺そうとしている。
一方が生きているならば、一方は必ず死ななくてはならない。
二人が結ばれるのに困難だけしかないような悲しくて切ない事実。
他の世界でも25日を過ぎたあと、ウキョウは一人でヒロインの代わりに死んでいったのかなと思うと切なくてたまりません。
この事実を知ってしまったあとでは、他キャラの攻略を手放しでできないですね…
だからこその隠しキャラか~
ジョーカーの世界の恋はとても透明で薄いガラスのようだと思います。
お互い姿は見えるのに直接触れられない。ともすれば熱を伝えそうなくらい薄いガラスなのに届くことはない。
壊れたガラスは二人を傷つけるから。
だからこそ、やっとグッドEDにたどり着けたときは幸せで、胸がいっぱいでした。
ラストのオリオンとニール様コンビの出現にも胸が暖かくなって、AMNESIAワールドのフィナーレを飾るに相応しい素敵なエピソードでした。
これからは世界に祝福されて、幸せになってください…!
一言: ジョーカーだからこの服でもアリかもしれない、と思う私はもうAMNESIA世界に冒されている。